【医療衛生情報】上空における身体への影響

【医療衛生情報】上空における身体への影響

帰国や出張などでよく利用する飛行機だが、健康なときは耳がツンと痛くなるぐらいで、特別感じることはないことが多い。
しかし、海外でケガや病気の時は搬送のため、航空医療搬送される場合があり、搬送にはある一定の基準があるようだ。
では、上空は実際、体にはどんな影響があるのだろうか。

持ち込んだポテトチップスの袋が、飛行機内でパンパンに膨らんでいることがあるが、上空では気圧が低下し、気体は膨張することになる。
航空機が上昇すると、胃や腸の中のガスは膨張するため、ガスを含んだ飲み物を多くとると、腸内のガスが膨張し時に便秘のような症状を起こしたりする。
もし体内に腫瘍や圧迫している部分があれば、減圧により、組織の圧迫・伸展などにより疼痛が生じたり、ひどい場合には内部の組織が損傷されることも考えられる。
また、気圧が下がると、窒素ガスの溶解度が減少するため、気泡化してしまう。
これは、特に血流の悪い血管内や脂肪組織内で起こる。
さらに脂肪組織では、血液の5-6倍の窒素ガスがとけ込むことになるので、肥満の人は注意した方が良さそうだ。
身近な症状に、耳が痛くなる航空性中耳炎や気圧性副鼻腔炎があるが、これらは気圧の急激な変化のために起こる。
もともと、副鼻腔炎や鼻づまりのある人は、飛行機が上昇したあとに耳が痛くなることがある。年齢の小さなお子様や赤ちゃんが
搭乗してから機嫌が悪く泣きやまない時は、何かを飲んだり授乳させたりすると泣きやむことがあるが、これは気圧の関係で
耳が痛くなるためだと考えられる。

重症ケースの搬送時には、さらに注意が必要となる。例えば、呼吸ができず呼吸器を装着している患者様の気管には、抜けないようにするため一般的には気管チューブの一部分にカフがついている。普段はその中には空気を入れているが、上空では膨張してしまい気管を圧迫してしまう可能性があるため、予防的に蒸留水を入れなければならない。
また、排尿障害のある患者様に尿の管を留置している場合も同様に、尿管についているカフが空気で膨張するのを防ぐために搭乗前には蒸留水で中を満たす。
気圧の低下は酸素分圧の低下、気体の膨張あるいは閉鎖空間における内圧の増加を招く。
加えて軟部組織の浮腫が生じるために包帯や副木による固定の圧が上昇するため、包帯やバンドなどをきつく締めている場合は搭乗前に緩めにしておくことが望まれる。
前述した航空性中耳炎とはどんなものか、簡単に紹介させていただきたい。
航空性中耳炎
鼻のまわりの顔面には、空洞が顔の骨の中にあり、それを副鼻腔と呼んでいる。副鼻腔は鼻の中に出口があってそれぞれ
鼻と通じている。この副鼻腔が風邪 や鼻炎などで詰まっていると、空気が自由に出入りできなくなり、離着陸時の急激な気圧の変化が起こると、中耳炎と同じように炎症を起こすことがある。
軽症の場合、耳が詰まるような感じや軽い痛みが出ますが、数分から数時間で治ることが多いが、風邪をひいていたり、アレルギー性鼻炎があると重症になり、激しい痛みや耳鳴りが現れる場合がある。
あらかじめ、アメをなめたり、水を飲んだり、あくびをすることで症状が改善されることが多いですが、痛みの強い場合は医療機関に診てもらった方がよいだろう。

中には医学的に航空搬送には適さないとされている症例もあり、航空搬送される機内環境によって深刻な状態に陥る場合もある。
注意を要する患者様の症例
*腸閉塞の場合、ひどい場合は腸管が穿孔(腸が破裂すること)して便が腹腔内に漏れ出し病態が更に悪化、腹膜炎を起こして重篤化してしまうおそれがある。
*頭蓋内圧亢進(脳が圧迫される)をきたす疾患の場合、
例えば外傷性硬膜外出血の患者さんが航空搬送されたことにより脳圧亢進(頭蓋骨内部の圧力が高くなり脳を圧迫する)がおこり病態が悪化した場合は、機内の低圧環境下で出血が増悪してしまう可能性がある。
*重症心不全の患者さんや、急性心筋梗塞発症直後は注意を要することが多い。
航空搬送によって助かっている患者さんも多くいると思われる一方、搬送されたために病態が悪化してしまうケースが考えられるため、健康に不安のある方が飛行機に乗る場合には信頼できる医師のセカンドオピニオンを受けることが大切だ。

EAJでは、航空搬送の場合、航空専門知識のある日本人医師による判断にて搬送を行っております。
搬送の際には、日本人医師または看護師(軽症の場合は看護師のみの時もあります)がエスコートさせて頂きます。
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航空性中耳炎

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