【医療衛生情報】「注射失敗、針の代金は誰が支払う?」裏の問題

【医療衛生情報】「注射失敗、針の代金は誰が支払う?」裏の問題

「看護師は子供に5針刺してやっと成功。失敗した注射針の代金は患者の治療費へ・・・」メディアの報道により明らかになった広東省東莞市のある病院で発生した今回の一件、破棄した注射針の代金は誰が負担すべきか?東莞のウェブサイトコミュニティの掲示板で投票が行われた結果、89.61%は「看護師の専門レベルが不足しているのが原因なのだから、看護師または医療機関が払うべきだ」と答えた。また10.39%は「子供に使用したのだから、子供の親が支払うべきだ」と回答した。(5月13日付《東莞時報》)



【技術以外の要因】
注射の失敗はすべて看護師の技術不足によるものであると判断するのは間違っている。大衆と患者は注射が一発で成功するかどうかのみによって簡単に看護師のレベルを判断するが、実際は豊富な経験を持つ看護師であっても失敗することがある。例えばある病院の小児科の統計結果によると、使用された320本の留置針のうち、68本は失敗であった。原因を分析したところ、看護婦の技術と経験以外の原因も確認された。例を挙げると小児患者が暴れたこと、血管の穿刺の悪さ、固定後の脱落、刺激性薬物の使用によるものなどであった。注射が失敗する原因を全て看護師のせいにするのは不公平なのだ。

針を刺すのが成功したか失敗したかで看護婦の技術を判定するのは、ある意味で看護師という職業を尊重していないことになる。医療従事者という仕事の性質上、大手術から小さな針を打つことに至るまで、リスクは避けられないものなのだ。手術が失敗したから手術費を出さないのが不合理であるのと同じように、針を刺すのが失敗したからといって針の代金は看護師や医療機関が負担しなければいけないという意見も不合理なのである。

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【相互理解がカギ】
ただ、何度も失敗した針の代金を負担しなければならないことへの患者の不満も理解するべきである。恐らくこの問題の背後にある真の原因は、医療従事者と患者の意思疎通が不十分なこと、また理解と信頼の欠如である。医療従事者と患者の交流を強化して医療行為に伴なうリスクについて患者に理解させるとともに、医療・看護の仕事内容を正しく理解してもらうこと、また同時にミスが発生した場合その具体的な原因について患者と家族にしっかりと説明することにより、患者と家族が穏やかな心理状態のうちに、医療と看護の仕事の基本的な流れを知ることが出来る。患者が医療と看護の業務に存在するリスクについて多く理解すればするほどお互いの信頼も高まり、「注射失敗、針の代金は誰が支払う?」「破棄した注射針代は誰が出すべきか」といった問題は発生しなくなるのではないだろうか。

原文:健康報ネット 2014年5月15日掲載記事より

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