【医療衛生情報】メンタルヘルス①疲れはたまっていませんか?

【医療衛生情報】メンタルヘルス①疲れはたまっていませんか?

 外務省国別の在留邦人数統計では、中国が米国に次いで世界第2位となっており、長期滞在者数については、長年にわたり第1位だったロサンゼルスに代わり2011年から上海が世界最多となった。

 邦人数が急増している、いわゆる新興国と言われる国では、経済成長の発展に伴い社会情勢も変化が激しく、生活環境や勤務環境にも影響を与えていると考えられる。中国や東南アジアでは、製造拠点としての東南アジア諸国へのシフト、円安などの影響から労働環境がより複雑化しており、具体的な将来展望を得にくい状況にあると言える。

 中国が経済のパートナーとして今も強い存在感を示す中で、政治的緊張の高まり、大気汚染などの環境問題、鳥インフルエンザ問題など、中国に暮らす邦人のストレス要因も複合化している。中国での長期滞在者が増えるにつれ、それに伴ってメンタルヘルスの問題は増加傾向にあると言われている。そのような状況の中で、メンタルヘルス対策への需要が高まっているにも関わらず、海外においてはそれをサポートする医療機関や医師が少なく、症状が悪化してしまうケースもある。

例えば、
政治的緊張が与える仕事や生活への影響:
 ■今まで契約が取れていたのに取れなくなった
 ■売上が低下し経営的な問題が発生している
 ■文化の違い、日本人と中国人の考え方の違い
 (メンツ、コネ、付き合いでお酒を大量に飲まなければならない、突然の予定変更に戸惑うなど)
 ■店で嫌がらせのような態度をとられた
 ■企業の経営状態が悪化したため、駐在員の数を減らされるが、役職と仕事の責任が増えた

育児環境:
 ■遊ぶ場所がない
 ■教育費が高い
 ■食べ物の安全性に疑問
 ■緊急時どう対処していいか不安

家庭環境:
 ■単身赴任で家族と離れて生活しなければならない
 ■夫についていきたいが生活と子育てに不安があり、或は子どもの教育のため夫と離れて暮らさなければならない
 ■実父母、子供にとっての祖父母が近くにいない
 ■海外赴任についてきたが、夫は仕事でいつも忙しく、子供といつも家にこもりがち

コミュニケーションの問題:
■中国語が十分に話せず、通訳を通してしか仕事ができない
人間関係:
■海外での日本人社会の人間関係、会社の同僚や上司、現地の人達との考え方の違い
衛生環境:
■食べ物、空気汚染が気になる、日本に比べて不衛生なところが多い
社会環境:
■道路事情・交通マナーが日本より悪く、危険が多い
異文化:
■仕事や夫の転勤で移住したが、どうしても現地が好きになれない、など


家事イライラ

 このように社会の中で環境に適応できず疲労が重なっていても、本人に自覚がなく症状が悪化してしまう場合がある。そのため、いかに悪化させず予防できるかが大切になってくるだろう。こころの健康評価は身体のそれと比べて難しく、血圧や肝機能などのような客観的な指標が使いにくいため相対的なものとなる。それゆえに海外勤務や海外生活ではより高いセルフケア能力が求められると考えられる。

 まずは、身近に相談できる人に話すことだけでも、気持ちが軽くなることがあるだろう。気分転換できる場所や自分がリラックスできることを見つけるのもいい。海外生活では、自国にいるときよりもストレスを抱えこみやすい環境にあると言える。疲れたら、無理をせず、また一人で溜め込まず、休んだりリラックスするように心がけることが大切になってくるだろう。

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参考資料:JOMF海外渡航者のためのメンタルヘルス
      厚生労働省 みんなのメンタルヘルス/こころの耳

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