【セキュリティ情報】雲南省昆明で起きた集団殺傷事件と企業の危機対応計画

【セキュリティ情報】雲南省昆明で起きた集団殺傷事件と企業の危機対応計画

 
雲南省昆明市の昆明駅で3月1日夜、刃物を持った集団が駅の利用客らを切りつけ29人が死亡し、143人が負傷する事件が発生した。実行犯8人の内訳は男6人、女2人で、公安当局は現場で5人を射殺、3人の身柄を拘束した。中国当局は、新疆ウイグル自治区の分離独立勢力による「組織的テロ」 との見方を強めているが、現地で操業する企業においても現行の危機想定やそれを受けての危機対応計画を再検証し、より実効的な取り組みが求められるところである。
 
 
【本件の分析】
中国国営メディアは、今回のテロを中国版の「9.11」であると大々的に報じており、中国治安当局により中国全土のセキュリティも強化されている。現在のところ、連鎖テロや模倣犯等の兆しは見られないが、引き続いての詳細な調査が取り進められている。

中国社会科学院は、中国国内におけるテロ及び暴力的犯罪が増加の一途を辿っており、社会的安定や公共の安全に対する深刻な脅威になっていると指摘する。多くの事件は、新疆ウイグル自治区で集中的に発生していることから、現時点で、これらが中国国内での事業運営に本質的な影響を及ぼすものではないが、中国で操業する企業にあっては、引き続き事態の推移を注視するとともに、セキュリティ担当者は危機対応計画の有効性の再検証と組織内での再徹底を行い、有事への備えを万全にする必要がある。

セキュリティ・リスクの背景となる要素や特性は、地域によって異なることから、本来、リスク想定とそれに対応する危機対応計画も、これらの要素や特性をふまえて事業所別に策定、管理、運用されるのが望ましい。

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【危機対応計画再検証のポイント】
危機対応計画の有効性を再検証するにあたっては、以下の諸点を念頭におく必要がある。

■危機対応計画が形骸化していないか。その内容が組織内で有効に徹底されているか。
 想定訓練を行っているか。
■事業資産を守るための定常時及び非常時のプロセス(人的警備、機械警備、アクセスコントロール等)
 が的確に機能しているか。
■危機対応計画の一部をなす救急体制は適切に管理運用されているか。必要装備のメンテナンスは十分か。
■緊急時の退避・集合場所が明確で、全ての関係者が認知しているか。
■緊急連絡網が確実に維持管理されているか。主要及び代替的な通信手段が、常に確保されているか。
 また、その機能と性能は検証されているか。
■事業所在地に、さらなる潜在リスクが認められないか。

今回の事件を、国内治安維持費が国防費を上回る中国の現実の中で捉え、有事に対して、より頑強に備えるといった取り組みが求められるところである。

参考資料:Hill & Associates’s “China Weekly Risk Report” No. CN-1100

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