【事故・アシスタンス事例】≪結核の疑い、北京からの医療搬送/出張者会員・Mさん(62歳)≫

【事故・アシスタンス事例】≪結核の疑い、北京からの医療搬送/出張者会員・Mさん(62歳)≫

   Mさんは数ヶ月に一度のペースで中国出張をしていた。今回は11月末下旬に北京入りし、取引先企業のある河北省のある都市を訪問していた。仕事の合間の観光時、突然の吐血!取引先の手配で現地医療機関へ搬送されるも結核の可能性があるとの診断を受け、北京の結核専門病院へ搬送中に付き添い者からEAJに入電をいただいた。

11月22日北京の結核専門病院での受診
診断名:結核の疑い 
2日後に帰国を控えているが、帰国可否の判断は複数の検査をしなければ不明。
吐血も続いていることから入院を希望だが、空きベッドが無く、近くのホテルから外来受診をすることに。

【EAJでの対応】
北京でその他入院可能な医療機関が無いか探すも、結核の場合、空気感染により他の患者にも感染する恐れがあるため受入不可であった。上記結核専門病院では中国語しか通じないため、毎日の外来受診の際のアテンド通訳を派遣。また外来治療費に関しても立替サービスを提供した。

【Mさん加入の海外旅行保険の対応】
Mさんは4年前に肺の病気を患い、今でも肺の薬を服用中。その他甲状腺の薬も服用中であった。
今回の症状が、持病と関連のある症状か不明であるため、前医調査と医療情報の取り付けを要求。
一旦治療費用は保留となり判断を待つことに。12月2日、やっと保険対象との見解となった。

【EAJ顧問医の判断】
・抗結核薬を開始して、その治療が適正であれば 通常2週間ほどで痰への排菌は陰性化し、
   感染性はなくなります。
・本来であれば現時点では、感染病棟に隔離して抗生剤投与後、排菌陰性を確認して一般病棟に移す
   手順をとります。
・結核で陽性の場合は1時間のフライトですべての乗客がリスクにさらされるため、飛行機はまだ搭乗できません

12月5日、やっとのことで結核専門病院の個室に入院することに。その後、点滴治療、血液検査、痰の培養検査を経て27日に結核は否定され、「非結核性抗酸菌症」との診断。

入院中の苦労



【入院中のMさんの苦労】

  • 結核の可能性が排除されていなかったため、外に一歩も出られず部屋に隔離状態。
  • 日本のテレビも見られず、中国語しか話せない介護人の介護を受ける。
  • 食事も好きなものが食べられない。(EAJ通訳アテンドスタッフがスーパーで代わりに購入。)
  • ノービザで入国していたがビザが切れてしまうため、ビザの延長が必要になる。
     (EAJスタッフが2度に渡りビザの延長手続きを行った。)
  • 救急車での搬送中に携帯電話を紛失し、家族と連絡が取れず、携帯電話を新規購入。
     (EAJスタッフが携帯電話を代理購入し、国際通話の設定を行った。)

Mさんは年内の帰国を切望されていたが、抵抗力の低下からか年末から発熱が続き、帰国は年明けとなった。結核が否定されてもなお、1人で帰国できる状態ではないため、医師、ナースのビジネスクラス、車イス利用での搬送が決定し、1月6日に実行。ご家族希望の自宅付近の医療機関まで搬送し、搬送付き添いの医療者が担当医に医療引継ぎを行った。

費用について
最終的な費用合計は約340万円。Mさんがお持ちの海外旅行保険で、治療・救援費用が無制限であったため、最終的に全額保険会社に請求。ただし、Mさんに過去同様の既往歴があったことで、保険の査定に10日間を要した。

アテンド通訳スタッフの声

・・・担当アテンド通訳スタッフの声・・・

今回Mさんは長期間病室から出られない期間が続きました。国際電話で家族や友達と話すことは可能でしたが、顔も見られず、費用も高いので長くはできませんでした。私達通訳スタッフが唯一、病院での日本語の会話相手でしたので、回診通訳の後に世間話等もしてMさんを少しでも元気づけられるよう心がけました。病院食や、ヘルパーさんへの意見などを聞き、それを反映させるのも私たちの役目です。病院側もその雰囲気をわかってくれたのか、1月1日は中国ではこれと言って特別なお祝いはしないのですが、病院側がMさんに新年を祝う飾り物をくれたのが印象的でした。

・・・EAJからのコメント・・・

今回の医療搬送では、症状出現から日本のご自宅に到着するまで、合計45日間かかってしまいました。保険で対象となるかの判断や結核であるかの最終判断にも複数の検査結果を待つ必要があり、精神的不安が大きかったと思います。また、年末のためMさんはお1人であっても早期帰国を希望されておりましたが、最終的には弊社顧問医の指示により容態が安定されてからの医療者付き添いでの帰国となりました。どうしても日本に帰りたいというお気持ちはお察ししますが、緊急事態にも対応可能な状態で、安全にご帰国いただくのが私たちの使命です。

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