【中国生活情報】産休、育休制度、日本と中国の違い

【中国生活情報】産休、育休制度、日本と中国の違い

 中国でお勤めの皆様の会社でも、女性スタッフが半年ほどで産休から復帰し、育児を続けながら勤務するのを見ることがあるだろう。日本の産休・育休と比べ、短い休暇でよく仕事と子育ての両立ができるものだと感心することがある。

 今回は、医療とは少し離れ、中国の産休制度に関して、日本の制度とも比較しながら見ていきたい。なお、以下では主に国レベルまたは北京市・上海市の法令をもとに見ていくが、実際には地方によって異なる制度が多いので運用には注意いただきたい。

【中国と日本の出産休暇制度比較】

  中国―中華人民共和国国務院令「女性従業員労働保護特別規定」

産休、育休制度、日本と中国の違い


  日本―「労働基準法」

産休、育休制度、日本と中国の違い

【産休期間中の給与】

中国―
・ 法定の産休期間中は給与支払義務があり、金額は所属会社の社会保険基数の平均金額を適用する(北京など外国人が社会保険に強制加入となった地域の会社では、社会保険基数が相当上昇している模様)。なお、この給与は会社負担ではなく、「生育保険」により社会保険事務所から支払われる。

日本―
・ 産休期間中の給与については法律の規定がなく、会社によって異なる。
・ 健康保険の被保険者で会社から給与が支給されない場合、健康保険法に基づき、出産予定日の42日前から出産後56日までの間で会社を休んだ期間について1日あたり標準報酬日額の3分の2に相当する出産手当金が支給される。このほか、健康保険から出産育児一時金39万円が支給される。

妊婦

【産前産後の保護規定】

 母体保護や解雇制限など、中国と日本で大きな違いはないが、日本においては請求しなければ得られないという規定がある。

中国―
・ 産休からの復帰後、同居の子が満1歳になるまで、勤務時間内に1日2回各30分の休憩(有給)が与えられる。実務的には1日の労働時間を1時間短縮することが多い。

日本―
・ 女性の請求により、中国と同様の育児休憩を取得できるが、有給か無給かは会社により異なる。

【法定の育児休暇制度】

中国―
・ 産前産後休暇の他に法定の休暇制度はない。

日本―
・ 「育児・介護休業法」に基づき、養育する子が満1歳(保育所に入所できない等一定の場合は満1歳6ヵ月)の誕生日を迎える前日まで休業が認められている。

【男性の育児休暇】

中国―
・ 地方によって規定が異なる。北京市では晩婚晩育休暇30日を女性が取得しなかった場合、男性が取得できる(男性の勤務先の承認が必要)。上海市では男性に3日の特別介護休暇が付与される。

日本―
・ 「育児・介護休業法」に基づくパパ・ママ育休プラス制度により、父母ともに育児休業を取得する場合、子が1歳2ヵ月に達するまでの間に、それぞれ1年まで休業することが可能。
・ 父親が配偶者の出産後8週間以内に育児休業を取得することも可能で、その場合には、特例として育児休業を合計1年以内で再度取得できる。

【中国と日本の子育て環境】

・ 上記のように、中国と日本の子育てにおいて大きく違うところは、産後女性の復帰時期ではないか。中国で女性が出産から約半年後に仕事に復帰するのは、家庭の収入を支えるためという面もあるのだろうが、中国では子育ては「家族でするもの」とされ、夫はもちろん、双方の両親、親族のサポートがあるからこそできることでもある。

・ 日本においては、「母親が育児をするのが自然」との考えや核家族化の進行により、女性の負担がまだまだ大きく、出産後の復職率の低さが顕著である。そのために導入されたのがパパ・ママ育休プラス制度であると思うが、この制度が実際に浸透するにはまだ時間がかかりそうだ。

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参考資料:
    中華人民共和国国務院令「女性従業員労働保護特別規定」
    公益財団法人 生命保険文化センターサイトより
    厚生労働省サイト「働く女性の母性健康管理措置、母性保護規定について」より
    厚生労働省サイト「パパの育児休業を応援します!!」より
    厚生労働省サイト 「育児・介護休業法のあらまし」より
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