【医療衛生情報】中国・医療機関等級の仕組み③

【医療衛生情報】中国・医療機関等級の仕組み③

 これまで、中国医療機関の等級に関してシリーズで情報をお届けしてきたが、最終回は少し違った観点から企業の人事ご担当者様に役立つ情報をお伝えしたい。

【医療機関の等級検索方法】

医療機関の等級は以下の手順にしたがって、検索することができる。

1 中国国家衛生・計画生育委員会サイトにアクセスする。:http://www.nhfpc.gov.cn/

2 ウェブページの右下にある「数据查询」の欄の「医院等级」をクリックすると、検索システムに入り、医療機関の等級を調べることができる。なお、本記事執筆時点では「三級」「二級」「一級」「未知」の級別と、「甲等」「乙等」「合格」「未定等」「其他」「未知」の区分によって検索可能だが、三級医院のみが収録されているようだ。

中国・医療機関等級の仕組み

【病欠証明書取得と病院等級の関係】

 中国に限った話ではないが、病院の中には診断書を正しい内容で記載せず、保険請求や休暇取得に有利な内容で作成するところも存在する。そのため、中国の企業では、従業員の病欠時などに提出させる診断書の発行元を等級で制限することがある。この点について法律上、実務上の扱いはどうなっているのだろうか。労務問題に詳しい北京市大地法律事務所に聞いてみた。

1 法令上の定め
 法令法規では、従業員が病気休暇、医療休職を取得する際、提出が求められる診断書は、医療機関の等級にかかわらず、医師が発行した診断書であれば、足りる旨規定されている。

2 一般的な取扱い
 しかしながら、従業員の中には病気を装って、管理が不十分な医療機関から診断書をもらう者がいないとはいえない。そこで、企業はこの不正行為を防ぐために、一般的に自社の『就業規則』で、十分な管理が期待できる等級の高い医療機関を指定することが多い。

3 就業規則中の規定の有効性
 また、『労働紛争事件審理の際の法律適用に係る若干の問題に関する最高人民法院の解釈』の第19条によると、「雇用単位が「労働法」第4条の規定に基づき、民主的手続きを通じて制定した規則制度が国の法律、行政法規及び政策規定に違反せず、かつ、既に労働者に対し公示されている場合には、人民法院が労働紛争事件を審理する際の根拠とすることができる」と規定されている。つまり、『就業規則』などの社内規則は、国の法律、行政法規及び政策規定に違反せず、かつ、既に従業員に対し公示されている場合、従業員に対して拘束力があると考えられる。

 北京市大地法律事務所の見解によれば、例えば「二級甲等以上の病院」のように診断書の発行元を制限したり、「会社は診断書の真実性について調査するか、診療を受ける病院を指定する権利を有する」のような社内規則を作成する企業が多いようだ。企業の人事担当の方々にはご参考になるだろう。

参考資料:
・中国国家衛生・計画生育委員会 HP:http://www.moh.gov.cn/zhuzhan/index.shtml  
・北京市衛生局、中国国家衛生・計画生育委員会医療服務監管司より電話インタビュー
・北京市大地法律事務所より情報提供


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▶ 中国・医療機関等級の仕組み②

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