【医療衛生情報】北京PM2.5ヒ素濃度が国際基準値の約4倍

【医療衛生情報】北京PM2.5ヒ素濃度が国際基準値の約4倍

 北京大学公共衛生学院と環境保護団体グリーンピースが共同で発表した「北京PM2.5重金属濃度測定研究」によると、北京では大気中の発がん性重金属であるヒ素の濃度が高いと判明した。中国政府は重点地域で有毒汚染物のモニタリングを展開するようと提案した。

 当研究の中心人物である北京大学の藩小川教授によると、2012年12月3日から2013年1月18日の間、PM2.5を観測し始めて以来、北京で最も深刻な空気汚染に見舞われた。22日間の観測期間中、グリーンピースはPM2.5個体サンプリングのため、北京地区で9名のボランティアによる個体ヒ素暴露濃度のモニタリングを行った。また、北京大学公共衛生学院の6階ベランダで同期間中15日間のPM2.5のモニタリングを委託し、大気・個体サンプル及びその重金属の含有量を測定・分析した。

 測定研究によると、期間中の北京では大気中の一日のヒ素平均濃度は23.08ナノグラム/立方メートルであった。2012年2月に公表された「環境空気品質基準」ではヒ素の年平均濃度の上限は6ナノグラム/立方メートルとされており、今回の濃度は上限値の3.85倍に相当する。そのうち汚染が深刻な日では平均濃度は34.68ナノグラム/立方メートル、最高濃度は70.91ナノグラム/立方メートルにまで達した。

北京PM2.5ヒ素濃度



 固体サンプリングにおいては、測定期間中の9名のボランティアの個体ヒ素暴露濃度の平均値は12.13ナノグラム/立方メートルで、最も汚染が深刻な日の平均値は24ナノグラム/立方メートルであった。それ以外の延べ42人に対する測定のうち、29人の濃度が環境空気ヒ素年平均参考濃度の上限を超えたと明らかになった。
  
 測定研究によると、北京市の大気中のヒ素濃度は一貫して高く、他の国際都市を遥かに上回っている。尚、世界衛生保健機関は1981年にヒ素を発がん性重金属と認定している。

 中国疾病予防センター、環境流行病・健康影響室副主任の尚琪氏は、中国での癌による死亡率の調査状況より、都市部での2004年、05年の肺癌の発病率の増加を指摘した。現在、癌発病率と大気汚染の関連性について明らかになっていないが、調査状況より都市部の肺癌の発病率が年々増加傾向にあり、農村部より高い数値であるため、間接的な兆候だと思われる。

 この研究によると、多くの人では環境汚染の影響が心理的負荷の増加或いは変化としてのみ現れているが、少数の人においては身体の調節機能が崩れ、中毒を起こし死に至ることもあると明らかにしている。

北京PM2.5ヒ素濃度


                          
 大気中のヒ素の主な汚染源は石炭燃料であると考えられている。統計データによると、北京・天津・河北省地域では2011年の石炭消費量が3億8420万トンであった。そのうち河北省だけで3億トンと80%を占め、ヨーロッパで最大の経済大国であるドイツを越えた。

 北京大学公共衛生学院とグリーンピースは、2012年10月に国務院が正式に採択した「重点地域の大気汚染防止処理(十二五)計画」に基づき、環境保護部は一刻も早く国家有毒大気汚染物質の特別排出規定を実施し、有毒大気汚染の排出基準設定及び予防処理技術規範を整備すべきであると提言した。その上で、PM2.5濃度を下げると同時に大気中の重金属など有害物質の汚染防止処理にも注力すべきである。また、北京・天津・河北省で石炭消費量の上限を早急に設定すること。さもなければ北京・天津・河北省の大気の質が目に見えて変わることは難しいだろう。

 原文:法制ネット 4月24日掲載記事より

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