【医療衛生情報】H7N9ウイルスとSARSはどう違う?

【医療衛生情報】H7N9ウイルスとSARSはどう違う?

    春が来て早々鳥インフルエンザA(H7N9)の流行に見舞われ、人々は内心恐怖を感じざるを得ない。これは10年前の今頃起こったSARS流行の恐怖を忘れられないからであろう。
    「H7N9ウイルスとSARSはどう違うのか」という疑問を抱え、記者は中国CDCウィルス性疾患予防管理研究所主任の譚文桀氏にインタビューを行った。

    我々は歴史的に見てもSARSよりインフルエンザに対する理解の方が多いが、この2つは完全に異なるウイルスである。譚氏は、過度に恐れることはないとし、N7N9ウイルスとSARSの違いを「分類の違い」、「宿主の違い」、「伝染能力と変種能力の違い」の3つの観点から述べた。
  
1、「分類の違い」
    先ず、2つは分類が異なる。SARSは新型コロナウイルスであり、インフルエンザウイルスではない。一方、H7N9はインフルエンザウイルスの一種である。

    インフルエンザウイルスは2つのタンパク質により特性が決まる。一つはヘマグルチニン、もう一つはノイラミニダーゼタンパクである。インフルエンザウイルスにはヘマグルチニン16個、ノイラミニダーゼタンパク9個があり、麻雀をするような感じでその種類を組み合わせる。理論上ではインフルエンザウイルスは140種類あるが、現在確実に存在しているのが130種類。H7N9はその中の一つであると譚氏は言う。

H7N9ウイルスとSARSの違い
  
2、「宿主の違い」
    次に、両者の宿主が異なる。 譚氏によると、H7N9ウイルスとSARSは発生源が異なることから、違いは明らかだと言う。インフルエンザウイルスの主な動物宿主は鳥類であり、鳥類から人へ伝染するまで、例えば、豚や馬を経由して人へと、中間宿主を経由することがある。あるいは鳥類から直接人へ伝染することもある。

    SARSのようなコロナウイルスの宿主はコウモリの可能性が高いと科学者は推測する。しかし、コウモリから人にどう伝染するのだろうか。ある研究員の分析によると、SARSはコウモリからハクビシン(ジャコウネコ)へ移り、ハクビシンを経由して人へ伝染したとのこと。しかし、現在の段階で、ハクビシンや他の動物が中間宿主であるかは完全に特定できていない。そのため、現在SARSウイルスに関する問題は科学上明確な回答が出されていない。一方インフルエンザウイルスに対しては、人々の認識も高い。

3、「伝染能力と変種能力の違い」
    3つ目はH7N9ウイルスとSARSの伝染能力と変種能力の違いである。

    両者は上気道感染ウイルスで、いずれも飛沫や直接接触により伝染するが、SARSの伝染能力の方がH7N9ウイルスより強い。日常生活の中では人と鳥類と人の接触のほうがコウモリとの接触より多いため、インフルエンザウイルスの変種を引き起こす。次々に出現する「新型」との接触機会もSARSより多いため、毎年インフルエンザが流行し、毎年インフルエンザの種類も「新型」になると、譚氏は語った。

    今後再びSARSが流行する可能性はあるのだろうか。その可能性は排除できない。しかし、譚氏は、現在の中国の研究能力、経済発展や保健教育レベルは10年前と比べ物にならないと語る。中国CDCウィルス性疾患予防部門はSARSに対する研究は検測手段などを含め様々な面で体制が整っており、譚氏は大衆が過度に恐れる必要は無いと語る。


    原文:健康ネット 4月11日掲載記事より

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