【医療衛生情報】中国500都市、大気汚染の環境基準値達成は1%

【医療衛生情報】中国500都市、大気汚染の環境基準値達成は1%

    ここ連日、中国の中東部の広い範囲で濃霧が出現した。中央気象台は濃霧の警報と共に煙霧(スモッグ)の青色警報(注)も発令した。煙霧に対しての警報は中国の歴史上初めて。北京・天津、長江中下流地域、珠江デルタ等の地区を<重度汚染地域>と発表した。
 
  (注) 警報は低い方から青⇒黄⇒オレンジ⇒赤の4段階
 
    広東省疾病予防コントロールセンター副主任の楊氏は新聞の取材を受け、PM2.5の危害を減らす方法について教授した。また、自動車排気ガス問題の解決法については、都市部に入る車両には課金をし、同時にエコロジーを推進する企業と車両に補助金を支給する等の提案をした。

    以下は、広東省疾病予防コントロールセンター副主任・楊氏の見解である。

【危険性】
Q
PM2.5は人体にどのような影響を及ぼすのか。

A
PM2.5は肺の奥まで達する可能性のある微粒子である。
直径が2.5μm以下の超微粒子で、微小粒子状物質という呼び方もある。大気汚染の原因物質とされている浮遊粒子状物質(SPM)は、環境基準で「大気中に浮遊する粒子状物質でかつその粒径が 10μm以下のものをいう」と定められているが、それよりも遥かに小さい粒子である。表面には大量の有害物質が付着しており、それら二酸化硫黄、オゾン、重金属等が肺の奥にまで到達する。肺胞が酸素と二酸化炭素の交換の際に有害物質が直接血液内に入り込み、血液の循環と共に全身の各部位にも危害を加える。
    急性の咳、上気道感染、喘息や気管支炎を引き起こすが、PM2.5に長期間晒され続けると呼吸器系統や心血管系統の病気を引き起こし、さらには肺癌を引き起こすこともあり得る。

【環境基準値】
Q
PM2.5がどの程度になったら大気汚染と言えるのか?

A
中国が発表した大気質指標の基準によると、PM2.5の24時間平均値が75mg/m3以内であれば、大気の質は良いと言える。75mg/m3を超えたら大気汚染との判断となる。

【大気汚染の現状】
    2012年広東省内平均煙霧日数は44日間。
    近年広州の煙霧が徐々に深刻になってきている。<中華人民共和国国家環境分析>によると、世界で汚染が最も深刻な10都市のうち、7ヶ所が中国の都市であり、中国の500の大型都市のうち、上記の大気質の基準値内にあるのは1%のみである。
  
    煙霧がよく発生する地域は、東部、北京・天津・渤海地区、長江デルタ・珠江デルタ地帯である。そのうち、珠江デルタの範囲は小さいが、一年中煙霧が発生している。頻度が高く、危険性が一番大きい。2011年、珠江デルタ地帯では、10日以上連続でPM2.5が基準値を超えたことがあり、平均煙霧の日数は45日間であった。2012年の広東省内の平均煙霧日数は4日間で、2011年と1日しか変わらない。広東省内で平均30日間を超えたのは49の都市で、主には、珠江デルタ、西北地方及び広東省の東の一部に分布している。

【大気汚染への対策】
    エコ機能のある車の使用を勧め、都市部に入る車両には課金を行うべき。
    大都市近辺ではPM2.5の数値が高く、広東省では珠江デルタ地区でその値が一番高い。PM2.5の大部分は工業排気や車両排気に含まれる微粒子であり、近年、自動車の数が毎年増えており、その排気が相対的に主な原因となっている。車による移動のため、広区域性の汚染になりやすい。

    この汚染問題を解決するには、先ず、公共交通機関の利用を提唱し、自家用車の使用を減らすことが重要である。第二に、ガス排出の測定を厳しくすること。排出基準を大幅に超えた車両は、都市部に入るのを禁止する。第三に、エコ型自動車の開発や、クリーンエネルギーの使用を勧める。あるいは経済的手段を用いることも考えられる。例えば、シンガポールでは、都市部に入る車両の課金を電子システムで行い、料金をすべてエコ型車の開発・生産する企業への補助に充てている。

【アドバイス】
    煙霧の日には室外運動を行わない
    我々は常に空気を吸っている。煙霧の危険性はどのように減らすことができるのか。PM2.5の危険性を減らすための根本的な方法は汚染物質の排出を少なくすることだが、我々にできることは、外出時に大気質指標をチェックし、それにより最適な外出時間と手段を選ぶことである。大気質指標の悪い時は外で運動をすると汚染された空気を吸ってしまうため、かえって体に被害を及ぼす。

    原文:広東省疾病コントロールセンター 2013年1月31日掲載記事より


◇ [参考資料]日本・米国・中国環境基準
日本・米国・中国環境基準

◇ 資料作成「在上海日本国総領事館」ホームページより↓
    http://www.shanghai.cn.emb-japan.go.jp/life/new130315.html 

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