【医療衛生情報】中国各地で深刻な濃霧:屋外での運動は安全か

【医療衛生情報】中国各地で深刻な濃霧:屋外での運動は安全か
「人民新聞」2013年1月14日15版より


 ここ数日間、中国の中東部や西南地域、また中国東部の多くの地域で濃霧が続けて発生した。一部の都市では重度の大気汚染が発生し、PM2.5 の観測データが「最高値」にまで及び、また上回った都市もある。

 濃霧中の有害物質には二酸化硫黄、二酸化窒素、PM2.5(注1) 等がある。清華大学附属北京市垂楊柳病院の李建瑞博士は、濃霧発生時、元々体が弱い人(高齢者や子供など)、また肺・心臓に疾患のある人は屋外で運動しない方がよいと呼びかけていた。濃霧は人体の呼吸器の抵抗力や肺機能を低下させ、その状況下でランニングやバスケットボールなど激しい運動をすると、本来の目的とは逆に体調を崩す可能性がある。

 博士によると、普段運動をする習慣のある人は、屋外でのランニングや散歩、また特に激しい運動は避けた方がよいとのこと。それは、激しい運動時は、より多くの有害物質が体内に吸収されるためだ。また、濃霧の天候下では気圧が低く、高血圧や冠状動脈性心疾患の患者が激しい運動をすると、狭心症や心不全を誘発しやすくなる。よって、ヨガやピラティスなど、室内で出来る軽い運動を推奨している。

 深刻な濃霧が続く間、学校では生徒たちの屋外活動時間を減らし、体育の授業を室内での縄跳び、腹筋やラジオ体操に変更した方が良いと李博士は述べる。多くの過去の研究から、幼い児童が濃霧にさらされた場合、気管支喘息になる確率が高くなると指摘されているからだ。

 今年1月1日から施行されている「環境空気品質標準」によると、深刻な汚染が発生した場合、心臓や肺の疾患を持つ患者の症状が悪化する。運動への耐久力が低下するため、健康な人でも症状が出る。子供や高齢者、及び心臓・肺に疾患のある人はなるべく屋外の運動を避け、室内にいた方が良い。また健康な人でも屋外運動を減らすことを推奨する。


中国安全


(注1) PM2.5 は直径2.5ミクロン以下の粒子状物質であり、工場のばい煙、自動車の排気ガスなどの人為由来、黄砂、森林火災がど自然由来のものがある。また、粒子として排出される一次粒子とガス状物質が大気中で粒子化する二次生成粒子がある。粒子の直径が小さくなるほど、肺の奥、さらには血管へと侵入し易くなり、濃度上昇に従い、ぜんそく・気管支炎、肺や心臓の疾患による受診・入院数が増加、さらに肺がん・循環器系疾患による死亡リスクが増加する。


原文:在中国日本国大使館ホームページ 2013年1月14日掲載記事より
原文:健康ネット新聞 2013年1月14日掲載記事より

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